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Mさん宅のサロン・コンサート [日々の記録]

6月のある日曜日。僕が尊敬申し上げるNPOの理事Mさんが、ご夫妻で主催されるサロン・コンサートへカミさんと。

 

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ヴァイオリンの長倉亜紗さん(東京藝術大学4年在学中)は、バッハの無伴奏ソナタ第3番から「フーガ」を演奏。

アットホームなサロン・コンサートの開幕にふさわしい、緊張感のある清々しい演奏を届けてくれました。

後方であぐらを組まれているのが主催者のMさん。

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飯田香さん(09年国立音楽大学卒業)は、ヴィオラでバッハの無伴奏チェロ組曲第2番から「プレリュード」を演奏。

バッハの作品が今のこの場で書かれたかのような初々しさ。最後の数小節はアルペジオで弾きます。

チェロのように音が厚く響かないので…と後で理由も教えてくれました。

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Mさんはベートーヴェンのチェロ・ソナタ第2番から第2楽章を。最高音もバッチリ決まってかなり楽しそうでした。

この曲は心地良いテンポが大切なんです。その流れを作るのは実はピアニスト。(後ろ姿でごめんなさいの)

ピアノの苅谷麻里さん(東京音楽大学大学院修了)は、まさにピッタリのテンポで楽しませてくれました。

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ヴォオリンの高山佳南子さん(東京藝術大学3年在学中)は、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番から

「アルマンダ」「ドゥブル」「コレンテ」「ドゥブル」を集中力高く、表情豊かに演奏してくれました。

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バッハ無伴奏チェロ組曲第6番から「サラバンド」「ガヴォット」を弾いた久良木夏海さん(東京藝術大学4年在学中)。

ハイリスクな難曲を、ただ弾くだけじゃなくて表現しようと聴かせてくれた姿勢に、聴き手も満足でした。

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最後は、シューベルトの弦楽五重奏曲から第1楽章。歌いながら静かにリードした第1ヴァイオリン(長倉さん)、

周囲を見事に橋渡しする第2ヴァイオリン(高山さん)、極めて重要なひとふしを与えられるヴィオラ(飯田さん)、

メロディーをしかも高い音で鳴らす第1チェロ(Mさん)、以上全てを支える第2チェロ(久良木さん)。楽しい演奏!

マエストロ松下.jpg

 

お集まりの30数名の方々には、サロン・コンサート常連ゲストのお一人、ヴァイオリン制作者の松下敏幸さんも

イタリアはクレモナから来られていました。3日前にできたばかりというヴァイオリンを我々に披露。

その後長倉さん、高山さんら二人のヴァイオリニストが交互に試演。滅多にない良い機会だったようです。

♪♪♪♪♪♪♪

クラシック音楽をみなさんに。Classical Music Cafeへようこそ!

印象に残ったことを2つだけ書きますと、シューベルトの弦楽五重奏曲をサロンで、しかも知人たちが弾くのを

聴くのは最高でした。友人のためにせっせと曲を書いたシューベルトの…特にこの作品については…

大家が集まって弾いても立派過ぎて、僕には聴き心地が悪いことがしばし。この日はとても良い感じでした。

それから、3日前にできたばかりのヴァイオリンを聴くという経験も貴重。

弾く人によって、そして…時間の経過で変化(成長)していく生まれたばかりのヴァイオリンといったら!

弾き手と聴き手の心のありようで「音楽の聴こえ方」も変化するが、楽器が本来持つ「心」という要素も加わると、

より多層的な心を写す音楽に。僕は、現代においてヴァイオリンを製作し続けることの意味をそこに感じました。

【こっそり告知】

執筆させて頂きました⇒マガジンワールド|WEBダ・カーポ


音楽の感動を届けるために。 [日々の記録]

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クラシック音楽をみなさんに。Classical Music Cafe へようこそ!

仕事柄、CDデビューを控えた新人アーティストの試聴盤が手元に届きます。そしてコンベンションやライヴ、コンサートにも伺います。これは、関係者向けのとある小さな会場に行ったときのこと。目の前にいるのは、CDデビューを控えたあるピアニスト。事前に届いたCDやDVDを試聴しても、なぜか伝わりにくく…でも、実演に接したときの真剣さや芸術に僕はノックアウトを喰らい「よし、この人を応援しよう!」と感じてご本人に挨拶に。このケースに限らず、実演の「懸命な凄み」や「感動的な経験」を何度か体験するうちに、ある日こう感じたんです。

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この「感動」を享受できる人って「会場に行く意思があり、自らの足で会場に行ける人だけじゃん!」と。
つまり「(意思として)行きたくて」「(物理的に)行ける」人々にしか伝わっていない「感動」なのです。閉鎖的というか…「君たちが来なさい」ということでもあるのです。でも「行きたいのに」「行けない」という人もいらっしゃる。

そんな人たちにも伝えてこそ「感動」ではないか?と。最近では「アウトリーチ」といって、病院への出前コンサートなどがありますね。僕は、自分に与えてくれた同じ「感動」をお伝えできたら…とここ1年考えていました。
 

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感動」をお伝えするための方法論を体験的に勉強するために、あるNPOのボランティア(サポーター)として登録をしてきました。あまり関係のないカミさんも連れて行って(感謝)。その説明会と交流会が土曜日にあったのです。
当初は、どのNPOでお手伝いしようか・・・とサーベイしていた段階では、登録してきたNPOには、いくつか課題を指摘されているのも事実。しかし、「規模」「内容」「継続」「地域からの支持の度合い」といった観点と、何度かコンサートに通ってスタッフの人々とお会いする機会があって、「中(裏方)に入って経験しよう」と
TANというNPOに決めました。

交流会で、名刺交換をさせて頂いた理事のMさんのお話しは、僅かの間でしたが非常に勉強になりました。

NPOのオフィスと、演奏拠点となるホールがある中央区に引越しをされて地域に溶け込んだこと。そして地元の方々に受け入れてもらうためにマンションの管理組合委員をやったり、PTAの仕事も引き受け…というお話しを伺っているとき、「どぶ板営業」という言葉を思い起こしましたが、声高に芸術の素晴らしさを唱えても、受け入れる側の支持がとても大切…という言葉には、経験に基づいた信念を僕は感じました。

僕のクラシック音楽の大先輩に、K先生という病院の院長先生がいらっしゃるんです。K先生は、奥様と一緒に僕たち夫婦を随分かわいがって下さいました。その奥様がご健在中「マイスキーが大阪のある病院で慈善演奏をする」というニュースをご覧になって、しみじみと「ああ、良いわね。私達の病院にもあんな人が来てもらえたらな。こんなに嬉しいことはないのに…」とおっしゃっていた、その言葉が今でも耳に残っています。

お仕着せではない。しかし、求められるところには、ちゃんと「感動」を届けたい。今年から少しづつ勉強します。

そして「感動」といえば。話題のスーザン・ボイル

ある人は、「世も末だからか…このような人が出てくるんだろうね」とも。
ポール・ポッツのデビューのときと同じような現象に、僕の勤める会社は静かに興奮気味。また更に忙しくなりそうです。
それから今回も
You Tubeが果たしている役割りはとても大きいですね。プロモーション機能付き巨大ネットーワークになっています。でも、根底にあるものは、「感動を届ける」ということだと、僕は感じています。


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